🏠 熱負荷計算ツール ☀️
Made by IMF
Version 5.0
サーバーにデータを残しませんのでご安心してご利用ください。
当ツールの説明を読む(初めての方へ)
住宅の熱負荷を「見える化」するシミュレーションツールです。
建物のUA値・窓の仕様・換気計画・地域の気象データなどを入力することで、ピーク日の時刻別熱負荷から年間を通した冷暖房エネルギー量まで、一貫してシミュレートできます。
「この窓に庇をつけたらどうなる?」「UA値を上げたらどのくらい効果がある?」——そうした設計上の「もし〜だったら?」に数値で答えることを目指しています。
- 軒の出(でしろ)を深くしたら、夏の日射熱はどのくらい減る?
- 外付けブラインドと内部カーテン、日射遮蔽の効果の差は?
- UA値を0.46→0.26に上げたら、年間暖房負荷はどれだけ減る?
- C値が1.0と0.5で、換気による熱損失はどう変わる?
- 外気温42℃の猛暑日、今のエアコンで負荷率は何%になる?
- 晴天の日と雨の日で、冷房負荷はどれくらい違う?
- 3階建て・ビルトインガレージには対応していません(外皮面積を自分で計算できる場合は利用可能です)
- さらぽかの「床冷房・デシカント換気」はシミュレート対象外です。エアコン選定ではさらぽか停止時の熱負荷で選定するため、過大なエアコンが選定されます
| 計算項目 | 精度 | 概要 |
|---|---|---|
| 熱貫流 | 中 | UA値×外皮面積ベースの計算。非常に緻密な外皮算出はしていません |
| 日射熱 | 高 | 方位係数を使わず物理法則に基づく計算。太陽高度は2024年モデルを使用 |
| 内部発熱 | 低 | 代表値 98.4W/h × 床面積で一律計算 |
| 換気負荷 | 高 | 熱交換効率・有効換気気積に加え、C値・風速・室内外温度差に基づく動的な自然換気も加味 |
※あくまで素人が制作したツールですので、参考程度にお願いします。
住宅の熱負荷には主に、「熱貫流」、「日射熱」、「内部発熱」、「換気負荷」の4つの要素があります。
各設定を適切に入力し、熱負荷を求めてエンジョイしてください!!
🏠 初めての方へ ── まずはサンプルデータで試してみましょう!
一条工務店のダミーハウス(2階建て・名古屋)の設定が自動入力されます。
⚙️ 設定の管理
設定の保存・復元機能
計算設定をファイルとして保存・復元できます。
保存される設定:
• 日射取得計算設定(地域・月・η値・天候)
• 窓設定(窓の数・面積・方位・日射遮蔽)
• 建物仕様(Ua値・床面積・天井高さなど)
• 換気設定(換気回数・熱交換効率・C値)
• 蓄熱設定(蓄熱係数α)
• エアコン設定(能力・消費電力・補正係数)
• 流入湿度設定(外気絶対湿度・潜熱交換効率・室内絶対湿度)
使用方法:
• 設定を保存: 現在の設定をJSONファイルとして保存
• 設定を読み込み: 保存したファイルから設定を復元
複数の案件を管理する際に便利です。
🌞 日射取得に関する設定
このセクションの説明を読む(なぜ入力が必要?何の計算に使う?)
住宅の熱負荷のうち、夏場に最も大きな割合を占めるのが「日射熱取得」です。太陽光が窓ガラスを透過して室内に入り、床や壁に吸収されて熱に変わります。この熱量は、太陽の高さ(太陽高度)・方角(太陽方位角)・大気の透過率・窓ガラスの性能(η値)・遮蔽物の有無などによって大きく変わります。
【建築地域の選択】が必要な理由:
太陽高度と太陽方位角は緯度によって異なります。例えば、札幌(北緯43度)と那覇(北緯26度)では、同じ8月でも太陽の軌道が全く異なり、南面の窓に当たる日射量が大きく変わります。建築地域を選ぶことで、正確な緯度・経度から太陽位置を計算し、各方位の窓に当たる直達日射量・天空放射量・地面反射量を時刻別に算出します。
【シミュレーション月】が必要な理由:
太陽高度は季節(月)によって劇的に変わります。夏至(6月)は太陽が高く、南面の窓への日射は少なく東西面が多い。冬至(12月)は太陽が低く、南面への日射が強くなる。この違いにより、軒(ひさし)の遮蔽効果も変わります。エアコン選定の場合は最も過酷な7〜8月を選んでください。
【省エネ地域区分】が必要な理由:
ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)の基準値は省エネ地域区分ごとに定められています。この区分により方位係数の参照値が決まります。
【η値(イータ値)】が必要な理由:
η値は窓ガラスの日射透過率を表し、0〜1の値です。η値が0.5なら、窓に当たった日射エネルギーの50%が室内に入ることを意味します。Low-Eガラスや遮熱ガラスはη値が低く、日射熱取得を抑制します。このη値を日射量に掛け算することで、実際に室内に入る熱量を求めます。
【天候】が必要な理由:
晴天・曇天・雨天で大気透過率が変わり、直達日射量と天空放射量の比率が大きく変化します。晴天時は直達日射が支配的で方位による差が大きく、曇天時は天空放射(散乱光)が増え方位差が小さくなります。エアコン選定では「晴天」を選んで最悪ケースで計算するのが安全です。
【計算式】
各窓の日射熱取得[W] = 窓面積[m²] × η値 × (直達日射量×cos入射角 + 天空放射量 + 地面反射量)[W/m²] × 遮蔽係数 この計算を全ての窓について、24時間×各方位で行い、時刻別の日射熱取得量を求めます。
🌡️ 温度・内部発熱設定
このセクションの説明を読む(なぜ入力が必要?何の計算に使う?)
住宅の外壁・屋根・床を通じて外気の熱が室内に侵入(または室内の冷気が外に逃げる)現象が「熱貫流」です。この熱量は「外気温と室温の差(ΔT)」に比例するため、外気温モデルと目標室温の設定が極めて重要になります。
【外気温モデル】が必要な理由:
外気温は1日を通して変動します。例えば猛暑日では、早朝5時に27℃→昼14時に39℃→夜22時に30℃のように推移します。この「24時間の外気温パターン」が熱貫流計算の基礎データになります。時刻ごとに外気温と室温の差を計算し、「その瞬間に外壁から侵入する熱量」を算出します。エアコンの能力選定をする場合は、最悪条件である「記録的猛暑日」を選択してください。これにより、ピーク時の最大熱負荷を把握でき、エアコンが能力不足にならない選定ができます。
【目標室温(設定温度)】が必要な理由:
熱貫流量は「外気温 − 室温」のΔT(温度差)に比例します。室温を24℃に設定した場合と28℃に設定した場合では、外気温39℃時のΔTが15℃ vs 11℃と大きく異なり、熱負荷も約36%変わります。この設定によりエアコンの必要能力が大きく変わるため、実際に設定する温度を正確に入力してください。
【蓄熱係数α】が必要な理由(詳細設定):
建物には「熱容量(蓄熱性)」があります。コンクリート造は木造より蓄熱量が大きく、昼間の熱が壁や床に蓄えられて夜間にゆっくり放出されます。蓄熱係数αはこの効果を表し、α=0.1(蓄熱性が高い=ピーク熱負荷が小さくなる)〜α=0.9(蓄熱性がない=外気温の変動がそのまま熱負荷に反映)まで設定できます。木造住宅ではα=0.35が標準です。この係数は、外壁面の「相当外気温度(SAT)」の計算に使われ、外壁が受けた日射熱の時間遅れ効果を表現します。
【内部発熱倍率】が必要な理由(詳細設定):
人体(約100W/人)・照明・家電製品(冷蔵庫、PC、TV等)から発する熱は、冷房時には「余計な熱負荷」になります。本ツールでは代表値として「1時間あたり98.4W×床面積」を基準とし、時間帯別に以下の配分で計算します:
- 深夜0〜6時:1.5 W/m²(就寝中で最低)
- 朝7時:7.0 W/m²(朝の活動開始)
- 昼8〜17時:3.5 W/m²(日中在宅)
- 夕方18〜19時:7.5 W/m²(調理・入浴でピーク)
- 夜20〜23時:3.5 W/m²(団らん時間)
【計算式】
熱貫流による熱負荷[W] = Ua値[W/m²K] × 外皮面積[m²] × (外気温or相当外気温[℃] − 室温[℃]) 内部発熱[W] = 床面積[m²] × 時間帯別W/m²係数 × 内部発熱倍率
🏠 窓の設定
このセクションの説明を読む(なぜ入力が必要?何の計算に使う?)
窓は住宅の熱的弱点です。壁のUa値が0.4W/m²K程度でも、窓(ペアガラス)は2〜3W/m²Kと5倍以上の熱貫流率を持ちます。さらに、窓はガラスを通して日射が直接入射するため、冷房期には最大の熱負荷源になります。窓ごとに方位・面積・遮蔽条件が異なるため、1枚1枚個別に設定する必要があります。
【窓面積(m²)】が必要な理由:
日射熱取得量は窓面積に完全に比例します。面積が2倍になれば日射熱も2倍です。図面から実際の開口部面積(枠込み)を読み取って入力してください。1階リビングの大きな掃き出し窓(3〜4m²)と2階寝室の小窓(0.5m²)では熱量が全く異なります。
【方位(N/NE/E/SE/S/SW/W/NW)】が必要な理由:
太陽は東から昇り南を通って西に沈むため、窓の方位によって受ける日射量が劇的に異なります。夏場の特徴:
- 東面:朝6〜10時に強い日射(朝日が低角度で直撃)
- 西面:午後14〜18時に強い日射(西日が低角度で直撃、最も過酷)
- 南面:夏は太陽高度が高いため意外と日射が少ない(軒で遮蔽しやすい)
- 北面:直達日射はほぼゼロ、天空放射のみ
【外部遮蔽(軒/ブラインド等)】が必要な理由:
外部遮蔽は日射遮蔽において最も効果的な手段です。外部で日射を遮ると、ガラスに日射が到達する前にカットできるため、遮蔽効果が非常に高い(70〜90%カット可能)。軒(ひさし)の場合、太陽高度に応じて遮蔽率が時刻ごとに変化するため、軒の出寸法・窓上端から軒までの高さ・窓の縦寸法を使って、三角関数で時刻別の遮蔽率を計算します。
【内部遮蔽(カーテン/ブラインド)】が必要な理由:
内部遮蔽(室内側カーテンやブラインド)も日射熱を低減しますが、外部遮蔽ほど効果は高くありません(日射がすでにガラスを通過してから遮るため、30〜50%程度のカット)。ただし、何もしないよりは大きな差があるため、実際の使用状況に合わせて設定してください。
【軒の出寸法・窓上端高さ・窓縦寸法】が必要な理由:
軒(ひさし)による遮蔽効果は、太陽高度に応じて変化します。計算では以下のように求めます:
遮蔽高さ = 軒の出[mm] × tan(太陽高度) − 窓上端から軒までの高さ[mm] 遮蔽率 = 遮蔽高さ / 窓の縦寸法 つまり、夏の太陽高度が高い時刻は軒の影が窓を多く覆い、冬の低い太陽高度では影が届かず日射が入る、という物理現象を再現しています。
【地面タイプ】が必要な理由:
窓には直接の太陽光だけでなく、地面で反射した日射も入射します。地面の反射率(アルベド)は表面の種類で大きく異なります:
- 通常の地面:反射率 約0.1〜0.2
- 芝生:反射率 約0.15〜0.25
- 積雪:反射率 約0.6〜0.8(非常に高い!)
- 水面:反射率 約0.05〜0.1
【計算の流れ】
各窓について、設定された方位の太陽入射角を24時間分計算 → 直達日射・天空放射・地面反射を合算 → η値を適用 → 外部遮蔽・内部遮蔽の係数を適用 → その窓の時刻別日射熱取得量[W]を算出。全ての窓の結果を合計して、住宅全体の時刻別日射熱取得量を求めます。
🔥 熱貫流・内部発熱に関する設定
このセクションの説明を読む(なぜ入力が必要?何の計算に使う?)
住宅の熱負荷を正確に計算するには、「どれだけの面積の外皮が外気に接しているか」と「その外皮がどれだけ熱を通すか」の2つが必要です。外皮面積は建物の形状(辺の長さ×高さ)から算出し、熱の通しやすさはUa値で表現します。
【平屋モード/ロフトモード】が必要な理由:
住宅の階数構成によって外皮面積の計算方法が変わります。平屋は2階の壁面積がゼロになり、天井(屋根)面積=1階床面積となります。ロフトがある場合は、ロフト部分の壁面積と床面積が追加され、外皮面積が増加します。正確な外皮面積が計算できないと、熱貫流量が実態と大きくずれます。
【各方位の辺の長さ(1F/2F/ロフト)】が必要な理由:
外壁面積は「辺の長さ × 階高」で計算されます。さらに、各方位の壁面は受ける日射量が異なるため、「相当外気温度(SAT: Sol-Air Temperature)」を使って方位別に熱負荷を計算します。SATとは、外気温に日射による温度上昇分を加えた「見かけの外気温」です。例えば西面の壁は午後に強い日射を受けるため、実際の外気温より数℃高い温度として計算されます。
相当外気温度(SAT)[℃] = 外気温[℃] + (日射量[W/m²] × 日射吸収率) / 外表面熱伝達率[W/m²K] 方位別に辺の長さを設定することで、南面の壁と北面の壁で異なる熱負荷を正確に計算できます。
【天井高さ・階間高さ】が必要な理由:
壁面積 = 辺の長さの合計 × 天井高さ(階高)で計算するため、天井高さが必要です。天井高が2,400mmと2,700mmでは壁面積が12.5%異なり、そのまま熱貫流量の差になります。階間(1階天井〜2階床の間の空間)の高さも外壁面の計算に影響します。
【床面積(1F/2F/ロフト)】が必要な理由:
床面積は複数の計算で使用されます:
- 外皮面積の算出:1F床面積=基礎(床)の外皮面積、最上階の床面積=天井(屋根)の外皮面積
- 内部発熱の算出:内部発熱[W] = 床面積 × W/m²係数。床面積が大きいほど家電・人体からの発熱量も大きくなると推定
- 換気量の算出:床面積 × 天井高 = 気積[m³]。気積に換気回数を掛けて換気風量を求める
- SHL(床面積あたり熱負荷):最大熱負荷 ÷ 床面積 で算出。住宅の熱的性能の比較指標
【Ua値(外皮平均熱貫流率)】が必要な理由:
Ua値は住宅の断熱性能を表す最も重要な指標で、単位はW/m²Kです。外皮全体の熱の通しやすさの平均値であり、数値が小さいほど断熱性能が高い。例えば:
- Ua値 0.25:HEAT20 G3レベル(超高断熱)
- Ua値 0.46:ZEH基準(6地域)
- Ua値 0.87:省エネ基準(6地域、最低ライン)
熱貫流量[W] = Ua値[W/m²K] × 外皮面積[m²] × (方位別相当外気温[℃] − 室温[℃])
【C値(相当隙間面積)】が必要な理由:
C値は住宅の気密性能を表し、1m²あたりの隙間面積[cm²/m²]です。C値が大きいほど隙間が多く、計画外の自然換気(漏気)が増えます。この漏気による熱損失は換気負荷に加算されます。高気密住宅(C値0.5以下)と一般住宅(C値2.0程度)では、自然換気による熱損失が大きく異なります。
【追加外皮面積】が必要な理由:
ベランダの腰壁、出窓の突き出し部分、下屋の壁など、標準的な箱型形状では算出できない外皮面積がある場合に使用します。これを加算しないと外皮面積が過小評価され、熱負荷も過小評価されます。
【通気層有り(日射低減係数)】が必要な理由:
外壁の仕上げ材(サイディング等)と断熱層の間に「通気層」を設ける工法は、日本の木造住宅で広く採用されています。通気層があると、外壁表面が日射で加熱されたとき、通気層内の空気が上昇気流(煙突効果)によって流れ、外壁から断熱層への放射熱を逃がしてくれます。
この効果を計算に反映するのが「日射低減係数」です。相当外気温度(SAT)の計算式に組み込まれます:
相当外気温度(SAT)[℃] = 外気温[℃] + (日射吸収率 × 壁面日射量[W/m²] × 日射低減係数) / 外表面熱伝達率[W/m²K]
- 通気層なし(係数 1.0):日射による放射熱がそのまま断熱層に伝わる計算。通気層のない外張り断熱や、直貼りサイディングの場合はこちら
- 通気層あり(係数 0.7 推奨):通気層による放射熱の低減効果を反映。日射による温度上昇分が約30%カットされます。一般的な通気工法の住宅はこちらを選択してください
- 係数は0〜1の範囲で自由に調整可能です。通気層の厚みや通気口の設計によって効果は変わります。通気層が狭い・通気口が少ない場合は0.8程度、十分な通気設計の場合は0.6〜0.7が目安です
外壁の仕上げ材と断熱層の間に設ける空気の層が通気層です。
通気層内の空気が煙突効果で流れることで、日射による外壁の熱が断熱層に伝わりにくくなります。
日本の木造住宅(通気工法)では標準的に採用されています。
日射低減係数は、通気層が壁面温度上昇をどれだけ抑えるかを示す係数です。
相当外気温度(SAT)の計算に使われます:
SAT = 外気温 + (日射吸収率 × 壁面日射量 × 日射低減係数) / 外表面熱伝達率
目安:
• 通気層あり(標準): 0.7
• 通気口少ない・通気層が狭い: 0.8
• 十分な通気設計: 0.6〜0.7
• 通気層なし: 1.0(係数なし相当)
係数が小さいほど、日射の影響を抑える効果が高くなります。
✔ 含む:窓・玄関ドア・勝手口がある壁面、収納・押入れが面する外壁
✔ 含む:バルコニーに面している外壁(室内側の壁)
✘ 除く:バルコニーと外気が接している辺(手すり壁等)
✘ 除く:袖壁(内部が居住空間でないため)
色名の後ろの数値は日射吸収率です。
値が大きいほど日射を多く吸収し、外壁温度が上昇しやすくなります。
• ホワイト: 0.35(反射が多い)
• ブラック: 0.9(吸収が多い)
方位ごとに異なる外壁色を設定できます。
✔ 含む:窓・玄関ドア・勝手口がある壁面、収納・押入れが面する外壁
✔ 含む:バルコニーに面している外壁(室内側の壁)
✘ 除く:バルコニーと外気が接している辺(手すり壁等)
✘ 除く:袖壁(内部が居住空間でないため)
色名の後ろの数値は日射吸収率です。
値が大きいほど日射を多く吸収し、外壁温度が上昇しやすくなります。
• ホワイト: 0.35(反射が多い)
• ブラック: 0.9(吸収が多い)
方位ごとに異なる外壁色を設定できます。
💨 換気設定
このセクションの説明を読む(なぜ入力が必要?何の計算に使う?)
建築基準法により、住宅には24時間換気(0.5回/h以上)が義務付けられています。換気とは「室内の空気を外気と入れ替える」ことですが、冷房時には冷やした室内空気を捨てて暑い外気を取り込むことになるため、熱負荷が発生します。この「換気負荷」は住宅の熱負荷の中で大きな割合を占め、特に高断熱住宅(Ua値が小さい住宅)では全熱負荷の30〜50%を占めることもあります。
【換気モード切替(換気回数 or 直接入力)】が必要な理由:
換気量の指定方法を2つから選べます。「換気回数モード」は気積(床面積×天井高)に換気回数を掛けて風量を自動計算します。「直接入力モード」は第一種換気(ロスガード等)の設計風量を直接入力できます。一条工務店のロスガードの場合、換気風量が図面に記載されているため、直接入力モードが正確です。
【換気回数(回/h)】が必要な理由:
換気回数は「1時間に部屋の空気が何回入れ替わるか」を表します。法定換気量は0.5回/h(2時間で全空気が入れ替わる)です。換気風量は以下で計算されます:
換気風量[m³/h] = 気積[m³] × 換気回数[回/h] 気積[m³] = (1F床面積 × 1F天井高 + 2F床面積 × 2F天井高)[m³]
【換気風量(m³/h)直接入力】が必要な理由:
第一種換気システム(ロスガード等)では、設計時に換気風量が決まっています。図面の換気設計表から正確な風量を入力することで、より精度の高い計算ができます。
【熱交換効率(%)】が必要な理由:
全熱交換型換気システム(ロスガード等)は、排気する空気の熱を給気する空気に回収します。例えば熱交換効率90%の場合、外気温39℃・室温24℃の条件で:
給気温度 = 外気温 − 熱交換効率 × (外気温 − 室温) = 39 − 0.9 × (39 − 24) = 25.5℃ つまり39℃の外気が25.5℃まで冷やされてから室内に入るため、換気負荷が大幅に削減されます。熱交換効率が0%(第三種換気=排気のみ)の場合は外気がそのまま39℃で入るため、換気負荷が最大になります。
【RA温度オフセット(K)】が必要な理由:
還気(RA: Return Air)の温度は、室温設定値とは異なる場合があります。例えば天井付近のRA吸い込み口は室温より1〜2℃高いことが多い。このオフセットを設定することで、熱交換の計算精度が上がります。
【C値(相当隙間面積)による自然換気】が必要な理由:
計画換気以外にも、住宅の隙間から自然換気(漏気)が発生します。C値が大きいほど隙間が多く、風圧や温度差によって計画外の空気が出入りします。この漏気は熱交換器を通らないため、外気温がそのまま室内に入る=最も効率の悪い換気です。C値0.5の高気密住宅と、C値5.0の住宅では自然換気量が10倍異なります。
本ツールでは、煙突効果(室内外温度差による浮力)と風圧効果(風速による差圧)を組み合わせた動的計算を行っています。風速が強い時や室内外温度差が大きい時には自然換気量が増加します。年間シミュレーション時はAPI取得した実測風速データが使用されます。
【外気絶対湿度・潜熱交換効率・室内絶対湿度】が必要な理由(詳細設定):
エアコンの除湿負荷(潜熱負荷)を計算するために使用します。外気の水蒸気が換気により室内に入ると、エアコンで冷却して結露させる(除湿する)必要があります。この除湿に必要なエネルギーが「潜熱負荷」です。全熱交換器は温度だけでなく湿度も交換するため、潜熱交換効率を設定することで、実際に室内に流入する水蒸気量を正確に計算できます。
【計算式】
顕熱換気負荷[W] = 換気風量[m³/h] × 空気密度[kg/m³] × 空気比熱[J/kgK] × (給気温度 − 室温)[K] / 3600 潜熱換気負荷[W] = 換気風量[m³/h] × 空気密度[kg/m³] × (流入絶対湿度 − 室内絶対湿度)[g/kg] × 水の蒸発潜熱[J/g] / 3600
機械換気設備(ロスガード90、うるケア等)の設定風量が分かる場合は、このモードをONにして直接入力してください。
床面積から自動計算するよりも正確な結果が得られます。
風量設定値は換気計画図面を確認するか、リモコン裏面で確認できます。
📊 計算結果
このセクションの説明を読む(計算結果の見方)
【最大熱負荷(ピーク熱負荷)[W]】の意味:
24時間の中で最も大きい熱負荷が「ピーク熱負荷」です。この値がエアコン選定の基準になります。例えばピーク熱負荷が3,500Wなら、最低でも3.5kWの冷房能力を持つエアコンが必要ということです。ただし、外気温が設計条件より高い場合にエアコンの実効能力が低下するため、余裕を持った選定が推奨されます。
【SHL(床面積あたり熱負荷)[W/m²]】の意味:
SHL = ピーク熱負荷[W] ÷ 延べ床面積[m²] SHLは住宅の熱的性能を比較するための指標です。24時間の合計熱負荷を延べ床面積で割ることで、住宅の大きさに関係なく断熱・遮蔽性能を比較できます。単位は「W/m²・日」です。本ツールの評価基準:
- SHL 300以下:超低負荷 — 極めて優秀な省エネ性能
- SHL 300〜350:低負荷 — 優秀な省エネ性能
- SHL 350〜390:普通 — 一般的な性能
- SHL 390〜420:ちょっと高負荷 — やや改善の余地あり
- SHL 420〜450:高負荷 — 改善の余地あり
- SHL 450以上:かなり高負荷 — 大幅な改善が必要
【時刻別テーブル】の見方:
24時間の各時刻について、「熱貫流負荷」「日射熱取得」「内部発熱」「換気負荷」の4要素の内訳と合計が表示されます。どの時間帯にどの要素が大きいかを確認することで、効果的な対策(日射遮蔽を強化すべきか、換気を改善すべきか等)を判断できます。
計算概要
パラメータを入力してください。
各窓の24時間の日射取得を成分別に表示します。
表示内容:
• 直達成分: 太陽から直接窓に入射する日射
• 天空成分: 大気で散乱された日射
• 地面反射成分: 地面で反射された日射
計算パラメータ:
• 太陽高度・大気質量・透過率
• 軒遮蔽・外部遮蔽・内部遮蔽
各窓の設定と計算結果を詳細に確認できます。 ▼ 展開
📈 計算結果をグラフで表示
このセクションの説明を読む(グラフの見方)
数値テーブルだけでは把握しにくい「24時間の熱負荷の変動パターン」をグラフで確認できます。積み上げグラフにより、各時刻で「熱貫流」「日射熱」「内部発熱」「換気負荷」のどれが支配的なのかが一目でわかります。
活用例:
- 日射熱が大きい時間帯を特定し、その方位の窓に外部遮蔽を追加する判断材料にする
- 換気負荷の割合が大きい場合、熱交換効率の高い換気システムの導入効果を確認する
- ピーク時刻が何時なのかを把握し、エアコンの運転計画を立てる
- 設定変更前後のグラフを比較して、対策の効果を視覚的に確認する
グラフ表示の準備中
必要な設定値を入力すると、
ここに計算結果のグラフが表示されます。
🎯 エアコン型式別・能力検討
このセクションの説明を読む(エアコン型式検討とは?)
上記で計算された「ピーク熱負荷」に対して、各エアコンが「どの程度の余裕があるか(または不足するか)」を自動で計算します。外気温条件下でのエアコンの実効冷房能力を考慮し、カタログスペックの定格値だけでなく、実際の使用条件での能力を推定しています。
注意点:
- エアコンの冷房能力は外気温が高いほど低下します(COP低下)。カタログ値は外気温35℃基準ですが、猛暑日(39℃以上)では能力が10〜20%低下する場合があります
- 負荷率100%=エアコンがフル稼働でギリギリ対応できる状態。余裕がないため、80%以下の負荷率となるエアコンの選定を推奨します
⚙️ エアコンを選んで評価する
年間熱負荷計算
このセクションの説明を読む(年間熱負荷とは?)
「この家は1年間でどれくらいのエネルギーを冷暖房に使うのか?」を数値で把握できる機能です。
使い方:
- 月別目標室温を設定 — 各月でエアコンが維持する室内温度を指定します。「OFF」にした月は空調を使わない月(中間期)として負荷ゼロになります。
- 月別遮蔽チェックボックス — 各月の「遮蔽」にチェックを入れると、窓に設定した内部遮蔽(カーテン・ハニカム等)と外部遮蔽(すだれ等)が適用されます。チェックを外すと遮蔽なし=日射をそのまま室内に取り込む計算になります。冬はカーテンを開けて日射取得したいのでOFF、夏は遮蔽して日射を防ぎたいのでONが一般的です。なお、軒や隣家の影などの構造物遮蔽は移動できない物理構造なので、チェックに関係なく常に適用されます。
- 冷房期/暖房期RAオフセット — 全館空調で天井裏にRA(リターンエア)吸込口がある場合、天井裏の温度影響でRA温度が室温と異なります。冷房時は天井裏の熱で暖まるため負の値(例: -1°C)、暖房時は天井裏の暖気で正の値(例: +0.5°C)を入力します。エアコンの吹き出し口がRA吸込口に近い場合のみ設定してください。
- 室温変動許容モード — ONにすると、設定した公差の範囲内で室温が目標から外れても負荷として計上しません。例えば公差±1°Cで目標25°Cの場合、室温が24〜26°Cの間は空調不要とみなします。早朝のわずかな温度低下などを無視することで、より現実的な計算になります。
- 「年間熱負荷を計算する」ボタン — 押すと12ヶ月分の気象データをAPI取得し、全計算を実行します。初回はAPI取得に数秒かかりますが、2回目以降はキャッシュ済みデータで即座に再計算されます。地域を変更した場合のみ再取得が必要です。
- 気象データ: 選択した地域の2025年実測データ(外気温・雲量)をOpen-Meteo APIから月ごとに取得します。雲量から晴天率を自動算出し、日射量の天候補正に使います。
- 24ポイント計算: 各月を前半・後半に分割して計24期間で計算します。12ヶ月×2=24ポイントにすることで、月内の気温変化(例: 3月前半と後半の差)も反映されます。
- 熱貫流: Ua値 × 外皮面積 × (相当外気温 - 室温) で壁・屋根・床からの熱の出入りを計算。相当外気温(SAT)は外気温に日射による壁面の温度上昇を加味した値で、方位・外壁色ごとに異なります。
- 換気: 機械換気とC値による自然換気の両方を考慮。熱交換換気の場合は顕熱交換効率で軽減されます。RAオフセットも反映されます。
- 日射取得: 窓から入る太陽熱。月・時刻・方位ごとの日射量を計算し、η値・遮蔽係数・軒の影を掛けて算出します。冬は暖房負荷を軽減するプラス要素、夏は冷房負荷を増やすマイナス要素になります。
- 内部発熱: 人体・照明・家電などからの発熱。床面積に応じて自動算出されます。
- 冷暖房判定: 各時刻の熱収支(熱貫流+換気+日射+内部発熱)がプラスなら冷房負荷、マイナスなら暖房負荷として集計します。
- 月別冷暖房負荷グラフ: 赤い棒が冷房負荷(kWh)、青い棒が暖房負荷(kWh)。棒が大きい月ほどエネルギー消費が多い月です。どの月にコストが集中しているかが一目でわかります。
- 成分別内訳グラフ: 熱負荷の原因を「日射取得」「熱貫流」「換気」「内部発熱」に分解して表示します。どの要素が負荷を増やしている(または軽減している)かがわかるため、断熱改善のポイントを見つけるのに役立ちます。例えば換気の割合が大きければ熱交換換気の導入効果が高い、日射が大きければ遮蔽の改善が有効、といった判断ができます。
- 累積グラフ: 年初から各時点までの冷房・暖房負荷の累計推移を折れ線で表示します。年間を通じた負荷の積み上がり方がわかり、最終値が年間合計値です。冷房と暖房のどちらが年間で大きいかが直感的にわかります。
- 月別24時間プロファイル: 代表的な月の1日の熱負荷変動を時刻別に表示します。何時頃にピーク負荷が発生するかがわかり、エアコンの容量選定や蓄熱の効果を検討する材料になります。
上のセクションで入力した全ての値がそのまま使用されます: Ua値、η値、窓の仕様(面積・方位・遮蔽)、外皮面積(辺数)、外壁色、蓄熱係数、換気設定(換気回数・熱交換効率・C値)、床面積、内部発熱比率など。年間計算の精度はこれらの入力値に依存するため、できるだけ正確に設定してください。
各月でエアコンが維持する室内温度を指定します。
「OFF」にした月はエアコンを使わない月として熱負荷ゼロで計算されます。
目安:
• 暖房月(冬): 22〜24°Cが一般的
• 冷房月(夏): 25〜27°Cが一般的
• 中間期(空調不要): OFFに設定
「遮蔽」チェック:
ONの月は窓の内部遮蔽・外部遮蔽を適用、OFFの月は遮蔽なし(日射をそのまま取得)。
構造物遮蔽・軒遮蔽は常時適用されます。
冷房月/暖房月の判定は目標室温から自動判定され、RAオフセットが適切に切り替わります。
「遮蔽」チェックON = その月はカーテン・すだれ等の遮蔽を適用して日射を抑える(夏向け)。OFFにすると窓から日射をそのまま取り込む(冬向け)。
🔥 ピーク熱負荷固定表示のON/OFF
このセクションの説明を読む(固定表示とは?)
設定を変更しながら熱負荷の変化を確認する際、毎回「計算結果」セクションまでスクロールして戻る手間を省くための機能です。ONにすると、ページ内のどこにいてもピーク熱負荷・SHLの値がリアルタイムで確認できます。設定を細かく調整しながら効果を即座に確認したい場合に便利です。